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ひぐらしのく頃に   神喰い編(2)
                                                  作   桜葉 遙              作者名                     


 6月22日  13時20分


「どうしたんだ、深衣奈? お前のテンションのことだ。

今頃だったら、頭がふっとぶそうになるくらいにはしゃいでいるんだが」

乙女はちらっと顔を覗くように視線を向けた。

「何か声が私とまるっきり同じ女の子がいてね、ここの地元の女の子かな。

 昔ながらのセーラー服を着てたからもしかしたら中学生か高校生かも」

 23歳という歳がなぜかあの女の子のおかげで重く感じる。

 誠がにやつきながら、深衣奈の髪の一本を掴んだ。

「俺はわかってるんだ、お前が少しテンション落ちたのはその娘を見て少し心を痛めているせいだってことを」

「ちょ、ちょっと誠!」

 誠ってば、何をこんなところで……! ハンドル握る力がなくなるじゃない……!

深衣奈の視線が誠の指の感触のせいでしどろもどろする。

「おい、誠……」

 誠の手首が乙女に握られた瞬間、急に車内に冷たさが感じられる。

 そして、とてつもない締め付けにより手があえいだように痙攣するしぐさを見せた。

「痛っっっっつ! わわわわかった!」

「ったく、本当にコイツはどうしようもないエロスだな」

 深衣奈は誠の指の感触をしっかりと思い返しながら、しっかりとハンドルを持った。

 

 ◆

 

 ふう、日差し雨ががきつくなってきた、まだ雨が降るよりもましか。

 2台の車が着いた先には丘と山の一部分を開いて作られた甲子園の迫力と比べても見劣りしないような射撃場が、深衣奈の青い瞳に焼き付けられる。

「ふぅついたな、射撃場あいかわらず広大だな」

「そうですね先輩、私ここ初めてですけども何処の射撃場にも負けてない感じです」

 これが雛見沢かともう少し閉鎖的な村だと聞いていたが、結構明るそうだ。

 こうして大会も開かれていることだし。

「今年から雛見沢が観光地区として生まれ変わり30年ぶりに公開される年だ。

 千華留の父が観光化計画の中心人物としてとしてもう10年以上も前から取り組んでおられた。

 亡くなられてから千華留がその事業を引き継いだ、今回の射撃大会はその記念だ」

「じゃあ、良い大会にしないといけませんね」

「その通り」

 深衣奈の手に思わず力が入り込む。

 今回の大会には千華留や知得留も大会に参加する予定だ。

「腕の見せ所だぞ、深衣奈。

 俺は銃の許可証なんてないから、クレー射撃には出場は出来ないが―――、影ながら応援

 するつもりだ」

 誠の手の感触が急にやわらかい温かみが増した気がする。

「うん、私にも意地っていうものがあるんだから! 誰が負けるものよ!」

 腕を試しに回してみるとしなやかに動いている。

 今日はいい感じだ。

 深衣奈はいち早く後部座席からクレー射撃に使う荷物を運び出していた。

 

「調子は?」

「順調ですよ」

 深衣奈は笑みを浮かべながら、1箱分の装弾を自分の立ち位置にある予備装弾入れのポケットに流し込む。

 深衣奈がよく使う上下二連銃や知恵留に貸してもらっているレミントンM870を拾い撃ちし続けたから、結構腕が温かくなり銃となじんできた。

「しかし、知得留さんはともかく千華留さんもクレー射撃に参加するとは」 

 深衣奈は、少し心のうちがすっきりしないのか、横で準備している千華留と知得留に目線を時々移している。

「能天気で自身のあるお前でも気になるものなのだな」

今回開催されるクレー射撃の種目はトラップ形式である。

 トラップとは射撃台の前方に設置されたクレーハウスから射出されるクレー(標的)が1ラウンド25発発射され、撃ち落す回数を競う種目である。

 今回の大会では4ラウンドで合計100枚のクレーを撃ち、1枚1点の合計得点で勝敗を競う。

誠は今日せっかくだから試合進行の雑用係をやってもらっているが、何かプレッシャーと安心感が交互に混ざり合い複雑な感覚が深衣奈の足をそわそわさせる。

 でも、何はともあれもうそろそろ本番OK

「そろそろスタートするぞ」

 乙女が装てんされているか確認すると、射撃台に入った。

 深衣奈も射撃台に入ると前方にあるクレーを発射するクレーハウスをスポーツサングラスごしにしっかりと目に焼き付けた。

 イヤープロテクターを耳に装着し、上下二連銃の弾倉部分に弾を込め安全装置を外す。

 一連の準備を終えた後、深衣奈の精神世界から意図的に参加者の存在を消した。

 あるのはクレーのみ。

 深衣奈のみならずそういう感じで思っているのは深衣奈だけではない。

 空に向け照準を合わせる。

 そして声を張り上げてコールした。

さぁ、来い! そう思おうとした時……!

飛んできた。

「!」

 深衣奈の視線の移り変わりよりも速く引き金を引いた刹那、クレーが破片に変わる。

 止めていた息を鼻から吐き出し、汗が付いている鼻穴をぬぐう。

 例の三人組の撃っている様子を、少し横目で見てみる。

 3人とも微動だにせず、クレーを破壊していた。

 深衣奈は視線を鋭くさせ、装弾を入れ替える。

 おもしろくなってきた! 唇に付いた汗の水滴を舌で舐める動作をしながら、深衣奈は再び上下二連銃をかまえた―――。

 

 ◆

 

 銃声とクレーの破裂音の異なる音が生み出した独特のコラボレーションが、今日も静かな雛見沢を賑やかにさせる。

 森の中にいても、木の葉のざわめく音が常に私の耳を震わせていたのに。

 無神経な銃声が都会人が来たことを意味している―――、ある意味田舎じゃないような感じだ。

「今日も雛見沢は静かじゃないね、そう思わないオヤシロさま? レナはそう思うな」

 今日は晴天だ、クレー何たらの射撃にはベスト・ポジションだと聞く。

 あいかわらず暑いけど、明日は快晴で“綿流し祭”日和だね。

 今年は30周年として、雛見沢綿流し祭が開催される。

 でも今年は邪魔者がいる。

 邪魔者が私をウキウキさせてくれない。

レナの心底から性欲・喰欲・睡欲と肩を並ばせるが殺伐とする何かが湧き上がってくる。

 

 

 今年は……アイツが邪魔してくるだろう。

 

  

 

 

 アイツを煮て焼こうか、焼いて喰おうか……。

 

 

 喰欲をすするのは断末魔……、断末魔もいいなぁ。

 

 

 あははははははははあはははははぁっははっははははは。

 

 

どんなシチュレーションにしようかな かな?

 

 

 今年で何人目だろう? レナはばかだな。ずっと30年の間数えてたのに今となって忘れるなんてね。

 

 

「でもまだ今日は本領を発揮できないけどね、オヤシロさまの力がまだ強いから」

 

 

 レナという少女は紫外線を容赦なく浴びせている日差しを避けるように、森の中へ消えていった。

 

 

 ◆

 

  6月22日  19時30分。

「んふふふふ、なかなかおもしろい勝負だったね」

 深衣奈の顔の筋肉は、クレー射撃大会が終わってバーベキューを始めてからもずっとほころんだままだ。

 7時になってもまだ日は落ちず明るい。

 別荘から少し歩いたところのバーベキュー場で、クレー射撃大会のお疲れ様会を別荘メンバーでおこなうこととなった。

 ひぐらしの鳴き声が何となく清涼感をバーベキュー場にもたらしてくれる感じがする。

「優勝おめでとうございます、深衣奈さん」

 知得留が二十年物だという白ワインの栓を開けた。

雛見沢の山の幸・川の幸を盛り込んだに料理に合うようにチョイスされた白ワインが、他のバーベキューをしている客の格差を思わせる。

 かんぱーい! と勢いよくメンバー全員が乾杯の音頭の言葉を張り上げた。

「やっぱり現役の軍人さんには適わないわね」

「でも、千華留さんもなかなか腕いいじゃないですか」

「確かに接戦だったな、私と深衣奈と知得留さんと千華留の合計得点差はわずか5点か」

 深衣奈は飲める口らしく、ワインを飲みながら魚料理に手をつける。(知得留だけは、なぜかカレーだが……。)

 乙女も酒は普段飲まない方だが大会が終わって安堵したのか、酒を飲むスピードが速い。

 結局、クレー射撃大会の方は深衣奈が僅差で優勝した。

 2位が知得留、3位が乙女、4位が千華留という結果で、別荘メンバーが上位を占める結果となり、他の参加者を圧倒した。

深衣奈の横に座っている誠は雑用をやっていたので影の薄い存在だったが、なかなか要領よく仕事をしてくれたおかげで、深衣奈も回りを気にせずに集中できた。

「ありがとう、誠」

「深衣奈がそれで良いんなら」

 深衣奈は誠の飲み口の跡が付いているワイングラスに唇をつけた。

 酒に少し人間の口の温かみが加わるとこれほどまでにうまかったとはね……。

「誠も今日を機にしっかりとしたひ弱じゃない男にならないとな」

「お前は単純細胞動物みたいにそういうことしか言えないのか!」

 しまった! とばかり酒の勢いを借りてつばと共にぶつけてしまった失言を少し恨んだ表情を浮かべ、視線を少し乙女から逸らした。

だが乙女は静かにワインを少しずつ口にしながら、静かに笑っていた。

「お前がちゃんとしっかりしていないからだろう。

 そもそもだな……」

深衣奈はまた始まったかといつもの事だと思っていたが、でも乙女は一向に殴ろうとしなかった。

 彼女の話すことに一言一言重みがあるけど、同時にどの言葉も心に取り付いていた将来の不安というものが取り除かれて軽くなっていくのを感じる。

「どうだ? ノウタリンのボンボンでも理解できないことはないだろう?」

「はい」

 いつになるかわからないこの説教のやり取りは誰が見ても姉と弟の様。

 実際、あまりこの二人には直接関係はなかったのだが、両方の親の付き合いが深いことでで自然と知り合うようになった。

 勿論、世話好きの乙女からして見れば、誠のような男が心配で献身的なのも関係を深めさせたのかもしれない。

 弟みたいな誠は決して風貌は悪くなく、少年のような面立ちで、家族が金持ちでもあるために人生の壁にぶつかったことはないことが乙女の説教を更にスピードアップさせる。

 やっぱり、私も彼の欠点をいくら吐いても好きなものは好きなのね。

 黙ってしばらく2人のやり取りに耳を立てていた深衣奈も、少し口を開いた。

「まぁ、自衛隊の任務から離れて雛見沢に着たけど、本当に静かだよね。 

 30年前の大災害があることなんて、まるで夢のよう。

 オヤシロさまのたたりとかであんまり良い観光地じゃないって聞いてるけど、そんなことはない静かなところに見えて仕方がないね」

 頬杖をついて、良い色に染まっていた千華留は大和撫子を思わせる長髪をたなびかせた。

 

 

 

「本当にそう思う?」

 

 

 

 深衣奈が彼女の視線に何かあると確信した。

 混沌とした彼女の深く黒い瞳には何かがある……と。

 まぁ、祟りがあるという話は聞いたことがあるし、なんせここは雛見沢だ。

 酒で少し頬が火照ってきたし、話で場が盛り上がるならば少し聞いてみよう。

 深衣奈はほんの満たない量の酒を飲み干した。

 

 

「深衣奈ちゃんの感想はおもしろい感想ね。

 まぁ、三十年も経つもの……雛見沢大災害を知ってても祟りのことは誰も知らないのは当たり前なんだものね」

「雛見沢大災害か……、国内の危機管理体制が問われた出来事だったな。

 自衛隊の出動がなかなかできず、万全の救出体制まで十時間かかった。

自衛隊の在り方が考え直される……、私は雛見沢大災害の出来事をそう見解している」

千華留は2、3回頷いた後、深衣奈の顔をちらっと見た。

深衣奈も、視線を少し落として聞いていた。

乙女先輩は結構勉強家だ、ここに来る前にちゃんと雛見沢大災害について調べたと言っていた。

「雛見沢はこう見えても平穏じゃないんですか?」

 深衣奈はさっきの質問が何かと引っかかって聞いて見た。

「深衣奈ちゃんって、“鬼隠し”って知ってる?」

「鬼隠し? 神隠しか何か?」

「神隠しと言ったらそうなんだけけど、微妙に違う点を言えば毎年この地域で起こる特有の現象なんだけどね。

でも、ここが閉鎖されてから影を薄めている、何か怪談チックみたいね」

「怪談か……」

“怪談”という言葉を聞いて、深衣奈の口元の筋肉が少し痙攣した。

 何か緊張して口の中が少し乾いてきた、何か人が消える話はあまり好きじゃない。

 つまり怪談が苦手だ。 

「その出来事俺は知っているぞ、今でも真実を追究するためにホームページで議論されている都市伝説ならぬ田舎伝説」

「誠君は私と一緒で雛見沢の鬼隠しが好きだからねぇ」

 深衣奈はグラスに白ワインを足しながら、いろいろ千華留の話をとりあえず聞くことにする。

 背筋に冷たい氷を落としたような感覚に襲われても、少し酒がまた入ったら怖さがやわらぐだろう。

 

 

「そうそう、“鬼隠し”って何で“神隠し”と違うのかっていう話だったよね。

 昔、雛見沢村は“鬼ヶ淵村”と呼ばれていてね、その村のはずれにある雛見沢大災害の原因となった鬼ヶ淵沼は、鬼の住む地獄に繋がっているという伝説が残っているのよ」

 

 

 伝説? なんかしっくりこない話だと少し、深衣奈はほうけてしまった。

 何だおとぎ話か……少し笑みを浮かべながらワインで口当たりをよくする。

 

 

「地獄と繋がっている鬼ヶ淵沼から、鬼達が現れ次々と村人をさらって喰った。

しかし、突然ある日オヤシロさまと呼ばれる神様が現れて、鬼達を鎮め人間と共存できるように人の姿を変えた」

「鬼が隠すんじゃないんですか? じゃあ“鬼隠し”じゃないじゃないですか」

「深衣奈ちゃん、鬼が人の姿に変えられたというところが、この話のミソなのよ。

 鬼が人の姿に変えられた……つまり、鬼の血が混じっているただの人間ではない、正体は鬼。

 ある期間になると、住民は鬼の血を蘇らせ人里に降りて人をさらう。

 それが鬼隠しの正体であり、ただの神隠しとは違う……」

 

 

 やっぱり、ただの伝承じゃない。

 怪談ではなく伝承と信じたかった深衣奈。

 しかし、千華留の深く混沌とした目がまだこの話の深さを物語っているように感じる。

 

 

「それが伝承なら良かったんだけどね……、ただその伝承が、なぜか現実に起こっている

のが問題なの」

 

現実に起こっている? 鬼隠しが?

 深衣奈は少し目を細めた。

 

 

「5年連続で起こっている……、毎年1人が必ず死ぬ……綿流しの当日に」

「ダム建設計画から……だろ?」

 乙女は上機嫌で鼻息を少し躍らせる。

「私も去年ここにいた時に耳に聞いていたからな」

「あら、興味なさそうな乙女もよく覚えてくれてたんだ」

「興味がないし馬鹿馬鹿しい。

 普通に考えれば、人為的な事件だしな」

 乙女がそんなオヤシロさまとか信じる人ではないことは深衣奈がよく肌の隅々から感じ取っている。

 千華留は話を続ける。

「まぁ確かに……、毎年1人は必ず死ぬといわれる“オヤシロさまの祟り”はダム建設計画からだと言われているわ。

 大災害の4年前はダム現場の監督が、3年前はダム建設の賛成派の夫婦が旅行先の展望台から落下して死亡、妻にいたっては死体も発見できず……、2年前は神社の神主が原因不明の病死、妻が後を追い自殺。1年前は3年前に死んだ賛成派の夫婦の弟の妻が何者かに撲殺された……、そして大災害の年はカメラマンが首を引っ掻いて死亡……」

「でもやっぱり祟りの部分もあるかもしれないけど、乙女先輩の言っている事も一里あるじゃないですか。

1年前の事件何か説明通りなら、別に祟りに見せかけた殺人事件だと解釈することは別にごくごく自然なことじゃないですか」

「ダム建設は、この辺一体を水の底にするから住民の抵抗はものすごい。

 だから“祟り”は人為的な事件だったという過程にいきつくことは、別に自然なのよ」

 自然に行き着くの? 確かに祟り何かあるはずじゃないよね。

「確かに動機がわかっているんだが、それだけじゃ説明できないことだってたくさんあるの。

 村のおとぎ話を模写した殺人事件もあるが、それだけではない。

 神主が死んだりとかした事件とかもそうだし、雛見沢大災害も本当に自然災害かという議論も30年経っても変わらない

 深衣奈は思わず、ぐだぐだ説明する乙女に思わず噴出した。

「先輩も見かけによらず素直な女性ですね」

 思わず開いていた口を閉じてしまう乙女。

 場が笑いに包まれた、乙女は赤面した顔を元に戻そうにもできなく、つられて笑うしかなくなった。

「その酒は良い酒だ、乙女という名の素直じゃない女性を根本から変える効用のある」

「私も素直な女だとわかっているのなら、忠告しておくべきだったかもな」

 雲の代わりに星が都会にはない夜空を、雛見沢にいる観光客・住民に与えてくれている。

 もっとロマンス的な裏話をしてくれるのかと、深衣奈は正直期待していた。

 とてもじゃないが、もっと都市伝説的なストーリーが出てくるとは思ってもみない。

 静かな晩になることを願いながら、深衣奈は最後に残ったワインを飲み干した。

 

 時間は9時だ、なかなかキャンプ場の人が減る様子はない。

深衣奈達のテーブルは野菜の食材が既に断片と化し、缶ビール、ワインの酒類も横暴無尽に横になっていた。

「プレート洗ってきますね」

ちょっと飲みすぎてしまったか、顔が火照っていて暖かい感じ。

 深衣奈はバーベキューの洗い場にあるスポンジと洗剤を使いながら、力加減がうまいこといかないのか、スムーズに洗えない。

「あの洗剤貸してくれませんか? 私が使おうとした洗剤が切れてて」

「え?」

 少し反応が普段より一段落遅い、酔ってる。

 でもよく見ると目元が少し緩く視線が柔らかい少女だ、頼み事されても断ろうとする気が起きない。

「あぁ、ごめんなさい。私も少し酔っているもので…はいどうぞ」

「ありがとうございます、あの雛見沢へは休暇で?」

「ええ、あなたは? 学生っぽい顔立ちね」 

 清涼感漂う純白のワンピースに、ピンクの艶やかな髪が彼女の心の中を映し出しているみたいだ。

「私は高校生で、まぁ学校休んでとってクラスメイトで雛見沢の探検をしようかなと。

 白河ことりといいます」

「私は深衣奈、まぁ普通の自衛隊員。まぁ私はリフレッシュできればいいかな」

 深衣奈は喋りながら、プレートを水洗いで仕上げ最後にタオルで吹き上げる。

「そう言えば明日は綿流し祭ですね、祟りとか何も起こらなければいいんですけどね」

「祟りねぇ」

 そういえば、明日は綿流し祭か。

 30年ぶりに行われる綿流し祭―――。

 どういう祭になるのか、心地よく酔っている深衣奈の頭にはなぜか想像がつかなかった。

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作者のあとがき



                                              


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