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  沈黙の討伐
                                             
                                                         作者    (桜葉 遙)  


「青い地球を守るため、胸の鼓動が天を衝く!エスカレイヤー、悪の現場に只今参上!」

地球を悪の組織ダイラストから守ろうとエスカレイヤーが、街中に現れた怪人フラストモンスターに戦いを挑んでいた。

「えぇ〜、また触手の?」


今日の怪人はどうやら、過去の戦いを分析してエスカレイヤーがもっとも戦いにくく、弱点を付ける様に改良された触手状の怪人らしい。


前回にも同じ事があった。
一瞬のスキを突かれ、三箇所の穴に……。

「やるしかないようです」


エスカレイヤーの相棒である、アンドロイドのマドカは敗北した前回の戦いを踏まえ武装を強化していた。
またエスカレイヤーのエネルギーを強化するためにはHをするしかない。
彼女の幼馴染の柳瀬恭平は、毎回ドキドキなシチュエーションを十分な準備をしてきたのだが……。

「イヤアーッ

「ダメだ マドカ 敵は予想以上に強いぞ

「今、相手の生体構造を分析中……」

エスカレイヤーは元来、触手状のモンスターに弱く、敵はそれを見越していた。
恭平がしまったという表情を浮かべる前に、またしてもエスカレイヤーのコスチュームの隙間から絶え間なく、液体状の触手が流れ込む。
触手はまたしてもエスカレイヤーの秘部を狙おうとしていた。

「何度も同じ手は通用しません……!!」

すると、怪物の悲鳴が波状となって木々をなぎ払い、家々を痙攣させた。
あらゆる形に変形できる形状記憶合金状のビームソード「パルシオン」をリボン状に変化させ、触手上の腕ごとを切断したのだ。

「てぇい!」

エスカレイヤーの蹴りが、怪人の顔面を捉えた。
怪人が近くに立地していた建物にたたきつけられた。


やがて砂埃から巨大なシルエットが浮かび上がる。


怪人は千鳥足っぽい足取りで立ち上がったが、建物の方は半分近くが原形をとどめず瓦礫の山と化していた。



 ◆



「ようやく俺の求めてたモンが入荷したようやな」

一人の男が眼光を鋭くさせながら、いたるところに飾られている刀剣に目をやっていた。
厚い肉体に黒ずくめのコートを身にまとい、正に堂々一歩一歩踏み出す姿は、人々を二歩も三歩も後ずさらせた。
どうやら一人の男は刀を買いに来たらしい。
店長が直々に、立ち会っていた。


「セガールはんのレストラン、明日オープンですやろ?」


「待望の日本店オープンやからね。
ほんま、どれほど苦労したか、わからんわ。まぁでも頑張ったかいはあったよ」


ケイシーライバックことセガールは、レストランのオーナー兼コックとして、世界に名を馳せていた。
若い頃は軍隊にいたということで、ガッチリした肩幅に威圧感を持つ者も少なくない。
引退して五十を過ぎても通り過ぎる人の視線が物珍しく見るように今でも釘付けにする。


「でもセガールはんも珍しいなぁ。
外国人で妖刀村正を求めて全国を回る人なんておらんで。
日本語も堪能やしよっぽどな日本通やね」


セガールは村正を手に取り刀の重々しさを感じながら、鞘からゆっくりと取り出す。


「素晴らしい」

「ですやろ?レプリカじゃなく本物やで」

「これね、なんぼ金出したってね、買えるもんじゃないんやで」

「でもセガールはんは剣の達人やろ? 剣の技を教えてくれたら、お金なんかいりまへんねんけどなぁ」


とニヤニヤしながら店長はゴマをするように、自分の顔がゆがんで映っている刀の切っ先を見た。


「人に教えるもんじゃないって」


ボッコボッコにしてやんよ〜♪


すると、セガールの服から着信音が流れた。


「もしもし? なんやって? 俺の店が!?」


(続く )



作者のあとがき

セガールの芸能生活20周年ということで作ってみました。
セガールを知りたいという人は「暴走特急」や「沈黙」と付くタイトルをTSUTAYAで調べてください。
ニコニコ動画ですが、セガールを手軽に知りたい人は、一回覗いてみてください。
ちなみにセガールの喋り方が関西弁なのは、関西の十三に住んでいたことがあり実際ペラペラだからです。、




                                              


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