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Gリーグ 外伝        第一章 進路

                                                     作者名    79ers                 


                                                  

 とある高校の寮。
 汗と泥にまみれたユニフォームをバックに詰め、選手達が戻ってきた。

 選手達は、調布国際女子高校サッカー部の選手達。
 女子高でありながら、スポーツに熱心に取り組んでいた高校。
 女子サッカーの中では東京では強豪校の1つだった。
 そんなサッカー部の選手達が試合を終え、寮に戻ってきた。

 そんな彼女達が臨んだ試合。
 全国の高校のNo.1を決める大会である「全国高校女子サッカー選手権」。
 その予選に臨み、戦いを終えてこの寮に戻ってきた。

 大会に出場するのとしないとでは天と地の差がある。
 TV中継もされ、スカウトも注目するこの大会。
 もし、出場出来れば……
 更に強豪チームからオファー。
 日本の女子サッカーリーグである「Gリーグ」。
 そして、日本代表。
 サッカー選手としては夢が広がる。
 逆に出場出来なければそういうものが一切なくなる。
 スカウトは一切目もくれなくなり……
 サッカー選手としての道は断たれたも同然。
 あとは普通の人生を送るしかなくなってしまうのだ。

 そんな大会の予選に臨んだ彼女達。
 前評判通りの実力を発揮し、決勝に勝ち残った。
 そして、その決勝。
 最初から一気に相手を攻め立て、押し気味に試合を進めた。
 だが、守りを固める相手を最後までゴールを割ることが出来ず。
 結局、PK負け。
 あと一歩で栄光への切符を掴み損ねていた。



「うっ、うっ……」
「ああ〜っ」
 泣き崩れる選手もあり……
 戻ってきた寮には重い空気が漂っていた。
 栄光への道が閉ざされた彼女達。
 力なく、疲れを癒すかのようにそれぞれの部屋に戻っていった。



 そんな中、ある寮の一室3人が集まった。
 DFの苗木野 そら、攻撃的MFの烏丸 ちとせ、守備的MFの水無 灯里の3人。
 入学した時から常に同じ部屋で生活し、仲が良かった3人。
 自然と部屋に集まり話をするようになっていた。
 そんな3人も既に高校3年生。
 この試合に負けたことで全員部活としては引退を迎え。
 あとは卒業を控え、別れの時を待つだけとなった。



 用意した紅茶に口をつけ、無言のまま時間が過ぎていく。
「さて……これからどうします?」
 その雰囲気を破るかのように、水無 灯里が口を開いた。

 
                                       (続く



作者のあとがき




                                              


                                     ホームへ    スタジオ・メインページへ    戻る    前の話へ   次の話へ

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